基礎知識欠格事項

- 基本的なことだけ簡潔に -


 

基礎知識

日本は世界で一番銃の所持が難しいと言われている。

銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)の第3条で鉄砲の所持は一般的に禁止。

「警察や自衛官・博物館での展示等そして公安委員会の所持許可を得た者」

に限り銃の所持が出来る。

また、狩猟法により狩猟鳥獣を捕獲するためには、狩猟免許を取得し

都道府県知事の狩猟者登録を受けなければならない。

 

装薬銃による狩猟を行うためにはこの様な手続きが必要である。


公安委員会が許可

猟銃所持許可申請手続き





















































※ エアライフルは教習射撃を受ける必要は無い

都道府県の知事が認可

狩猟免許取得手続き













かなり端折っているがこの様な感じだ。

 

■ 猟銃所持許可 ■

非常にめんどくさい。

各段階で必要な書類が山のようにあり、それを揃えるだけで一苦労だ。

しかも、ほとんどが平日の昼間に行う必要がある。

めでたく公安委員会より許可が下りても法律(銃刀法・火取法・狩猟法)で

ガチガチに厳しく固められている。

労力と暇と多少の出費、そして社会的責任を覚悟しなければならない。

 

許可とは?

猟銃所持許可は自動車の運転免許取得と同じように考える事が出来る。

初心者講習は銃刀法や火取法・狩猟法についての知識がメインであるので

学科と言える。

射撃講習は実際に実銃と実弾を使ってクレー射撃を行う実地だ。

違っているのは自動車は普通免許を取れば、どの普通自動車を運転しても良い。

しかし、猟銃所持許可は許可が下りた銃しか持つことが出来ない。

これを一銃一許可制という。

所持許可を受けている者でも他人の銃を触ることが出来ない。

許可を受けた者意外がその銃を触った時点で違法となる。

メチャメチャ厳しいのだ。

 

初心者講習

初心者講習は都道府県により開催日が様々なようだ。

ここ大分では年に2回、5月と8月に行われている。

2回とも落ちると来年まで待つ必要があるのだ。

首都圏では月一回開催しているところもあるということなので羨ましい限りだ。

内容は午前中に銃の扱い方、午後は各法令の講義を行い最後にテストがある。

これがかなり難しく、合格率は50%以下らしい。

 

教習射撃

申し込みの際に、医者の診断書や戸籍抄本、経歴書などが必要だ。

申請書を提出すると、内定調査がある。

警察が欠格事項に該当しないか調査するのだ。

職場や近所で聞き込みを行うそうだ。

・・・一番厳しいところだ。

ま、よほどヤバイ人でない限り問題はないだろう。

一ヶ月ほどすると許可が下りる。

 

無事、教習許可が下りると射撃場で銃の扱い方やマナーを教わる。

実弾を渡され実際にクレーを撃つ。

最後にテストがあり、25個のクレーを撃ち2〜3枚撃ち落とせば合格である。

丁寧に指導してくれるので確実に受かる

この時がダメでも、何度も受けることが出来るので問題ない。

技能検定というのがあるが、これは警察官が試験を行う。

試験のみを行うので初心者が受けることはまず無いであろう。

 

許可取得後

一年に一回春先に所持している銃すべての一斉検査がある。

銃検と言われるが平日の昼間に出頭するのは大変なことである。

ついでに、銃検や許可更新の際に使用実績報告を求められる。

銃刀法第10条の2には「射撃技能の維持向上」というのがある。

射撃場でガンガン撃ちまくれということだ。>微妙に違うような気が・・・

  つまり、いろいろと大変ということだ(笑)  


 

■ 狩猟免許 ■

狩猟については甲・乙・丙と三種類の免許がある。

  ・甲種狩猟免許 網・罠等を用いた狩猟

  ・乙種狩猟免許 装薬銃(散弾・ライフル銃)を用いた狩猟 

  ・丙種狩猟免許 空気銃を用いた狩猟

私が行いたいのは散弾銃を用いた狩猟なので乙種狩猟免許が必要と言うことになる。

大分県では試験は8月頃に行われる。

学科試験(狩猟法)や鳥獣判別、銃の取り扱い、距離の目測、適性検査などがある。

準備講習を受ければかなりの確率で合格できるようだ。

 

国家試験である狩猟免許を取得しただけでは不十分だ。

狩猟を行う都道府県に狩猟者登録を行う必要がある。

これは、各猟友会が手続きの代行をしてくれる。

 

狩猟期間は11月15日から2月15日までである。

しかしイノシシによる被害が拡大しているため、猟期を3月15日まで拡大する措置が行われている。

シシ猟をするなら今がチャンスだ!

 

 

 

 

 

法的知識

■ 所持許可の下りない人 ■

銃刀法第5条には”絶対的欠格事項”という物がある。

これはこの条件に当てはまる人は許可してはならないというものだ。

  ・一定の年齢に達していない者
    猟銃は20歳空気銃は18歳
    日本体育協会の推薦があれば猟銃18歳空気銃14歳

  ・精神病者、アルコール、麻薬、大麻、アヘンもしくは
   覚醒剤の中毒者又は精神薄弱者

  ・住居の定まらない者
    住所ではない。実際に生活している場所のこと

  ・所持許可の取り消し処分を受けた日から5年を経過していない者
    眠り銃として取り消された者は除く

  ・銃砲(拳銃部品を含む)、刀剣類及び拳銃実包の不法所持
   輸入等により罰金以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり
   又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者

  ・銃砲、刀剣類又は刃渡り6センチを越える刃物を使用して、人の生命
   身体を害する罪その他凶悪な罪で政令に定める物に当たる違法な行為
   をした日から10年を経過していない者

  ・集団的に、又は常習的に暴力的不法行為、その他の罪に当たる追放な行為で
   国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認められるに足りる
   相当な理由がある者
    
いわゆる暴力団関係者

  ・他人の生命もしくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると
   認めるに足る相当な理由がある者

※他にも色々と書かれているが省略

これとは別に”相対的欠格事項”という項目がある。

これは許可されない場合があるという事である。

しかし、普通に生活をしている者ならば該当することはないであろう。

 

■ 所持許可されない銃 ■

拳銃を護身用に携帯したいとかランボーのように機関銃を撃ちまくりたい

と考えている方は諦めていただきたい。

狩猟目的では許可されません(笑)

散弾銃・ライフル銃・空気銃のみ許可対象である。

また、この銃に対する欠格事項もある。

  ・変装銃
   
 ステッキに仕込まれたりしたもの
  ・欠陥のある銃
  ・連続自動撃発式の銃
   
フルオートで打てる銃のこと
  ・6発以上(散弾銃は3発)の実包を装填できる弾倉のある銃
  ・構造の一部として消音装置があるもの
  
  サイレンサー(サウンドサプレッサー)のこと

銃の全長・銃身長・口径も指定されている。

また、ライフル銃を狩猟目的で使用する場合、職業としてや被害防止目的の場合を

除き10年以上の猟銃(散弾)の経験が必要である。

しかも、口径は5.9ミリ以上で、熊・猪・鹿捕獲のみとされている。

非常に細かい・・・

 

■ 保管・携帯 ■

銃は自ら保管しなければならない。

入院する際や旅行の際は保管業者に委託することもできる。

自宅で保管する際は基準に合致するガンロッカーに入れなければならない。

鍵は自ら保管し家族の者でも中の銃には触れられないようにしなければならない。

また、ガンロッカーは壁に固定するなどして容易に持ち出せないようにする。

装弾についても専用の保管庫を用意し、銃とは別々に保管する。

 

猟銃持つのは本当に大変だ・・・

 

 

参考文献:猟銃等取扱読本


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