平成19年度 狩猟日記 その3
−大分県は本年より全域でメスジカ可猟・頭数無制限です-



出猟日 1月2日 (水曜日)
時 間 09:00〜15:00
場 所 祖母・傾山系
猟法 グループ猟
天 候 晴れ
使用銃 Remington M870
銃身 26in・平筒
使用装弾 なし 
猟 果
イノシシ 1頭 (グループ猟での猟果)
 新年一発目の出撃である。今年も獲物に恵まれ、事故の無い猟が楽しめるよう願いながら猟場を目指す。途中でKさんと合流し通称「乾燥場」の広場へと移動する。昨日までは雪で荒れた天気であったが、今日は晴れていて空気が澄んで遠くまで良く見え、山々は真っ白に雪化粧している。

久住山は真っ白

 集合場所は風をさえぎる物が無いので強風が吹いている。寒い中待っていると続々とメンバーが集まってきた。新年の挨拶をしながら本日攻める場所を決める。すぐそばの「豆腐屋」から「印刷屋」までを攻めることになった。私の配置は笹とクヌギのある所だ。ここは獣道(ウジ)が幾つもありどこから出てくるか分からない。少し高い場所に陣取って見下ろす感じで待つことにする。

 全員の配置が完了し犬を投入。すぐに鳴きだしてイノシシだそうだ。上り下りしながらこちらに近づいているそうだ。緊張して待機していると、トンネル上のM師匠の待ちより発砲音が3発。大きなシシを止めたらしい。だが、隣の待ちのKGさんが刺しに近くまで行くと、いきなり10mほど走り出したという。KGさんは鉄砲は少し離れたところにあり、M師匠は装填中でKGさんの叫び声がここまで聞こえてきたww 素早く装填したM師匠が頭に一発撃って無事に逃亡を阻止。放血して一安心だ。

 お昼になったので午前の部は終了。朝の広場でお弁当となった。私はカップ麺希望者に新しく買ったガスコンロ ギガパワー ストーブ地 でお湯を湧かす。このコンロは火力は強いが横風には弱い・・・ 今まで使っていたプリムスのP−113 の方が風には強かったな〜

 午後はポイントDの前を攻める。私はいつもの下の待ちへ移動。混ぜてもウサギを追っただけで終了となった。新年一発目の初猟なので少し早めに終わり、捌いて分配し解散となった。




出猟日 1月5日 (土曜日)
時 間 09:00〜16:00
場 所 祖母・傾山系
猟法 グループ猟
天 候 晴れ
使用銃 Remington M870
銃身 26in・平筒
使用装弾

Rottweil BRENNEKE Classic 2発

猟 果
オス鹿 1頭 (グループでは2頭)
 家を出て無線で呼ぶが誰からも返事が無い。寂しい思いをしながらいつもの集合場所に着。ここでやっとKGさんから応答があり無事合流。いつもは5名ほどいる大分メンバーは2人だけである。正月から出動していることもあり、本日は欠席者が多くなった。高台に移動し無線で呼びかけると、勢子長宅へ上がってこいとの返答。どうやら険しい山岳部を攻めるようだ。

 勢子長宅に到着し、焚火に当たりながらメンバーを確認すると少ない。大きく囲むことができないので狭い場所を攻めることになった。M師匠には電話で連絡が取れ、送れて来るとのことだ。全員勢子長に付いて移動し待ちに配置されることになった。

この後すぐに道がなくなる・・・

私を含めた3名が山の裏手に車をデポし、他の人に同乗し表へ回りこむ。装備を整えると全員で山道を登り、要所要所に勢子長が人を配置していく。交通事故のケガが完治していない私は痛みを我慢し遅れまいと付いていくが右足が言うことを聞かずに段々遅れだした。痙攣し動かない足をごまかしながら何とか待ちに着き装填して待機する。ついでに痛み止めも倍の量を飲んでおく。

薬を飲み終わった頃に下でいきなり銃声がした。無線では鹿を一つ止めて一頭逃げたと行っている。逃走方向は私の方だそうで、挙銃していると尾根の向こう側を足音が去っていった。尾根に登っても追いつかないので放置。配置が完了したので勢子さんが犬をかける。私は周囲に気を配りながら痛む右足をさする。山の裏手なので無線がほとんど入らないので状況は分らない。

獲物が出たとノイズの向こうに聞こえたが抜けられたようだ。あと、M師匠が到着したと言っている。しばらく混ぜたが思わしくないので、ここは終了。最初に下で撃った鹿を担いで下ろし私の軽トラに乗せて車に分乗し表に集合。お弁当を食べながら作戦会議。昨年私が鹿を撃ったトンネル方向を攻めることになり、私はいつもよりも少し北側を守ることになった。

道が台風で崩落しているとの事で、広場に車を置いて山を登る。今日は疲れる日だww 15分ほどの移動で昔、箱罠を置いていた上の尾根の分岐点に着。ここで私は待機するがM師匠やKRさんはさらに尾根を下って待ちに着く。地理的には私が一番高い場所に陣取ったことになる。無線も良く聞こえる。犬をかけたそうだ。

見通しの良い待ち

ヒノキ林で透けており日も差して暖かい。先ほどの待ちとはずいぶんな差である。すぐに隣の待ちで銃声。鹿が出たので撃ったが外したとの事だ。裏に逃げられたとの事で残念だ。大松の根元に腰かけて警戒していると、犬が獲物を出したとの連絡。登り降りしながら私の方に逃げているらしい。大きなイノシシと言うことだ。100kg越えの大物だと言っている。逃走方向をあちこち変えながら逃げまわっているようだ。

大物に備えて弾を3インチマグナムに変えようか悩んでいると尾根を何かが飛び越してきた。オスジカと判断すると同時に挙銃、薬室閉鎖、安全装置解除、発砲を流れるような早業(笑)で行った。獲物は飛び出した地点から10mも行かずに倒れている。自分でビックリである。一頭だけのようで後が続かない。ゴソゴソ動くので剣ナタで刺そうとするが、元気に頭を振って角が危ない。少し離れて頭に止めを撃ちこんで終了。脳味噌を破壊すると同時に角が片方吹き飛んでしまった・・・ orz

背中から射入し胸より射出

心臓を刺して頭を低くして放血を促す。無線で報告して、もと居た場所で待機。シシは相変わらず逃げまわっているが待ちにはかからないらしい。しばらくすると犬が一頭ポツポツ鳴きながらこっちへ来る。弾を大物用マグナム装弾に変更しているので不安は無い。緊張して挙銃していると獲物は無く、ビーグル(ハウンドのミックス)だけが鳴いてきている。

シカの臭いをたどってきたビーグルハウンド


どうやら鹿の後を単独で付けて来たようだ。勢子さんに確認すると繋いでおいてとの事なので、倒れている鹿を何口か噛ませてリードを付けて木に繋ぐ。だが私の姿が見えなくなると探して鳴くので仕方なく上に連れて行き、隣で一緒に番をする。頼もしい相棒だww (獲物は来ないだろうけど・・・) M師匠の方向で銃声が2発づつ少し間を置いて鳴った。鹿が飛び出たらしい。止めたかどうかは不明。いつのまにか犬たちはシシを追うのを止めて親方の所に帰ってきたとの事だ。詳しい事は分らないが待ちを抜けられた?

犬を回収したので待ちを解いて降りてくださいとの連絡。犬は隣の待ちであるOさんの犬なので引き取りに来るらしい。私は吹き飛ばした角を探すが上半分しか見つけられなかった。木の枝と同じ色なので見つけきれない。獲物にワイヤーロープをかけて引きづり下ろす。少し行けば崩落した林道なので思いのほか楽に車まで下ろすことができた。午前中に獲れたシカと共に軽トラに積んで移動。

勢子長宅で解体し解散。今期4頭目、グループ猟では初の獲物が獲れて良かった。明日は一番険しい所を攻めるそうだ。気合をいれてがんばろー!




出猟日 1月6日 (日曜日)
時 間 8:30〜19:00
場 所 祖母・傾山系
猟 法 グループ猟
天 候 晴れ
使用銃 Remington M870
銃 身 26in・平筒
使用装弾 Rottweil BRENNEKE Classic 7発
FEDERAL POWER-SHOK RIFLED SLUG 3発
猟 果
オス鹿 1頭


グループ全体で
鹿 10頭
(オス7頭、メス3頭)
イノシシ 3頭
(80kg1頭、30kg2頭)
いつものように07時出発。無線で連絡しながら直接勢子長宅へと集合。本日はお客さん2名を含んだ総勢19名となった。本日は猟期中に一回だけ行われる通称「大山」を攻める。本格的な山岳猟で荒れてなく獲物はウジャウジャで、まさにパラダイスのような所だ。5グループほどに分け、各班長にそれぞれ付いていく。私はM師匠とKGさんの3名で山の裏手一番高い所に回り、防衛線を張ることになった。

我々は一番歩かなければならないので他の班よりも先に出発。林道を進み少し入った所で車をデポ。ここからはひたすら歩きである。汗だくになるので防寒着はベストの背面ポケットに押し込む。M師匠を先頭に結構険しい山を登る。登山道なんて気の利いたものはないのでかなりキツイ。交通事故のおかげで右足が痛み力が入らないので適当な木を杖を杖にして進む。感覚的には黒岳の下から登る感じだ。ふと顔を上げると、先行する2人が銃を構えている。矢先を見るとメスシカが2頭奥に走っている。2人で3発撃つがハズレ。血も引いてないそうだ。残念!

1時間ほどすると右足が痙攣をおこして上手く歩けない。歯をくいしばって登るが2人に置いてけぼりを食ってしまった。無線で行き先を聞くと、Kさんより自分で適当に待ちを探せとの連絡だ。見捨てられた・・・orz

GPSで現在地を確認し地図を見ながら待ちを考える。下から追い上げるので高い所が有利。獲物が登りそうな谷を探し、待ちに良さそうなポイントを絞る。自分のカンを信じて行ってみると、予想よりもはるかに良い場所である。痩せ尾根で見晴らしが良く、谷は下から徐々に狭くなり対面する斜面はガケで獲物は登れない。しかも幾つも太い獣道が走っており、その全てが見渡せる。獲物は間違い無くここを通ると確信した。


痩せ尾根で待機


Kさんを無線と生声でお互いの位置を確認すると下のほうに居るようだ。M師匠は無線がおかしいので返答無し。Kさんによると上にあがると言っていたそうだ。

各班の配置終了を確認して勢子さん達が犬を入れる。すぐに犬が鳴きだし獲物を追いだしたようだ。
谷下から馬の蹄のような音が複数してきた。薬室を閉鎖し、挙銃して待機するとシカの4〜5頭の群れが上がってきた。引きつけて尾根を越えるときに発砲!先頭のオスがこけるのが見えた。続いて2発を反転して谷を降る後続に撃ちこみ更に装填してもう一発撃ちこむ。Kさんの待ちからも銃声が響いてきた。最初に倒したオスを見るとその場所に居ない?? 左右両斜面を見まわしたが見当たらない?? 被弾してこけたのは間違い無いが腹に当たって走られたのだろうか?後続を見てたので分らない。今ゴソゴソ動くのはまずいので、後で捜索することにしてジッと待機。

高い位置に居るので銃声が良く響く。花火か演習場のように広範囲で散発的に銃声がある。上のほうで銃声が5発響いた。ライフルマンのM師匠だ。無線で呼んでも返答無し。遭難対策で祖母・傾山に携帯の基地局ができたと聞いていたので、携帯電話を取りだすとアンテナが立ってる。こんな山の中でFOMAが使えるとはww M師匠の携帯は圏外or電源OFFとアナウンスが流れ繋がらない。無線で報告するとM師匠の携帯はいつも車に置いていると師匠の友人のNさんから返答。困った・・・

また同じように地響きと共に団体さんが来た。遠くで尾根越えしようとするので3連射。きれいに外れたようだが囲いの中に戻ったのでどこかの待ちにかかるだろう。

尾根のすぐ反対側を歩く音が聞こえる。ゆっくりと移動して確認するとメスジカが一頭警戒しながら歩いている。私の足音で警戒してカガミ毛を広げ警戒して立ち止まった。距離は15mで頭しか見えない。これ以上動くとまずいので頭を狙って発砲しようとした瞬間、左の足場が崩れて姿勢を崩すとものすごい勢いでシカが逃げ出した。Kさんの方に逃げたので無線で伝えて肩を落としながら待ちに戻る。

今度は谷底から微かな音が聞こえる。目を凝らすとシカが忍び足で抜けようとしている。時々立ち止まって警戒する念の入れようだ。距離は50m位だが暗く木が邪魔だ。スコープがあればよいがオープンサイトで狙うには辛い。先頭に狙いを付けるが照星で獲物の全身が隠れてしまう(困) 当たればラッキーと全身が晒された瞬間発砲!大きく転げて下に落ちた。すると出るわ出るわ、見えなかったが後続が5〜6頭位出てきた! 残り2発は角が見えたのでオスめがけて撃ちこむが走られた。Kさんにそちらへ降りていったと無線を入れる。

少しして犬が2頭出てきた。尾根を越えようとするので追い返すと、下のほうで鳴きだした。挙銃して待機するが犬の位置が動かない。おかしいのでKさんが谷底に降りると直後に銃声。シカを犬が追い詰めていたそうだ。私が後から撃ったオスで後ろ両腿を砕いた半矢で、ガケを背にして身動きができなかったらしい。

M師匠の所から銃声が響く。断続的に10発くらい聞こえた。鳴り止まない銃声に途中から笑いが出てしまった。5発入りの弾倉を2個持っているのでできる芸当だ。しかし無線が通じないので困っていると、大声で何か必死に叫んでいる。近くまで来ていた勢子さんやGさんが声を上げながら近づく。私も犬が切られたり、師匠がケガしていたらいけないと、声を頼りにガケをよじ登って近づく。救急セットを持ち歩いているのは私だけなのだ。

M師匠が叫んでいたのは大きなシシが出て何とか足は止めたが弾切れで完全な止めが撃てなかったらしい。(ケガじゃなくて一安心)戦果を聞くと、この辺り一帯には4頭のシカを倒しているらしい。弾切れの師匠に変わり、私がこの場所を守る。

14時を回り、犬も全て回収されたので獲物を下ろすことになった。M師匠が5頭、Kさんが2頭、私が1頭の計8頭が一番高いこの辺りにいる。私が最初に撃って消えた獲物を見つければ、さらに増えることになる。3人ではとてもじゃないが運べないので下にいる待ちを全員呼ぶことになった。


本日5頭捕獲したM師匠(右後方にも鹿が倒れている)

少し休憩して我々はもっとも高い所に倒れているシカ4頭をシシと同じ場所まで引きづり下ろす。これだけでも重労働だ。水が湧いている所があるので椿の葉を”樋”にして空になったペットボトルに詰める。

岩を伝う湧き水をペットボトルに詰める

皆喉が乾いていた様で一気に無くなった。岩を伝う水は飲めないが樋にすればボトルに詰められていくらでも飲める。喉を潤し、加勢が来るまでしばし休憩。

師匠の獲物は他の人達に任せて私とKさんは自分が倒した獲物を移動させる準備をする。私が行方不明にした獲物は見つからなかった。血を引いてないしこの地形では100m半径を探すのは不可能なので諦める。きっと弾がかすめて尻モチをついたと言うことにして倒れている獲物の所へ行く。

獲物を引っ張る段取りを終える頃に、助っ人の第二部隊が到着。2名だけ残ってもらい後はM師匠の獲物のほうへ行ってもらう。

獲物にワイヤーロープで首をくくり、ガレ場を苦労しながら下ろす。転倒すれば間違いなく骨折以上の事になるので慎重に、だが気合をいれて引き下ろす。500mほどで昔の作業道に乗った。荒れて車は通れないが人間なら大丈夫だ。


運搬中の小休止

雨で掘れた溝に獲物を落ち込ませながら、協力しあってやっとの思いで林道着。もう全身汗だくで足腰ボロボロである。だが、師匠の獲物がまだ全部降りていない。再び加勢に戻りボロ雑巾のようになりながら必死の思いで全部下ろした。軽トラに乗せるのも一苦労で積み上げると本当に山のようになった。こんな光景見るの初めてだ・・・

過積載気味の軽トラ(これでまだ半分)

過積載ぎみの軽トラを先頭に勢子長宅へ無事帰還。時間はすでに14時を回っている。取りあえず休憩と遅い昼食を取る。当然一番若手の私はのんびり飯など食べられるはずもなく、おにぎりをくわえたまま獲物を下ろして解体場の準備。下っ端は辛いぜ(泣)

全ての猟果を並べると圧巻であるww

一度にこれだけの捕獲は初めての経験

少し落ち着くと、これを全部捌かなければならないという現実が見えて来た(泣) 2〜3名の小グループに分かれ獲物を捌いていく。私はいつも軽トラに積んでいるロッキングホイストを使って一人で獲物を吊るして解体する。この時、クルクル回って困るので前足を片方ロープで引っ張っておくと安定して作業ができる。シカの解体なら慣れた物で、鼻歌混じりにバンバン捌いていく。2頭目をバラス頃から3人になり作業スピードも早くなる。部位別に外すと、作業テーブルに持っていき、待機している人にバトンタッチ。ここで骨抜き、悪い所の切除、後で人数分に分配してくれる。私も3頭目をバラシ終えた所でテーブルへ移動。骨抜きを行う。作業開始から3時間を過ぎた所で分配と掃除まで終了。辺りは暗くなっている。一段と冷えてきたので挨拶をして解散となった。

本日は今までで一番獲物を見て発砲した。目撃数は20頭以上、発砲は10発である。だが1頭しか捕獲することはできなかった。最初に撃った団体は全弾命中させなければおかしい位近かったのに・・・ まだまだ未熟だと痛感させられた一日であった。 しかし、最初に転がしたオスはどこ行ったのかな〜