平成21年度 狩猟日記 その1
−大分県は全域でメスジカ可猟・頭数無制限です-
出猟日 | 11月1日 (日曜日) |
時 間 | 8:00〜11:00 |
場 所 | 祖母・傾山系 |
猟 法 | グループ猟 |
天 候 | 雨 |
使用銃 | Remington M870(EOTech ホロサイト) |
銃 身 | 20in・1/2ライフル |
使用装弾 | なし |
猟 果 | グループで オスシカ 1頭 |
今日からイノシシ・シカが解禁になった!勢子長のご厚意で、前日より泊めていただき出撃となった。天気予報では昼前から雨が降ると言っている。初日なのでできるだけやってみようとの事で、最初は低地のお稲荷さんの近くを掻き混ぜてみる事になった。 私は休耕田で待つ事になったが、大きなシカが遊んだ跡が沢山ある。イノシシも入っているらしいので期待できそうだ。 下流から入れて、私の前を通り過ぎると犬が鳴き出した。無線が途切れ途切れで状況がつかめないが、二手に分かれて逃げているようだ。さらに聞いていると、どうやら待ちを切ったようだ・・・ おまけに土砂降りになった・・・ 待ちを解いて先回りを試みるが、雨の所為で匂いが流されるのか、犬が鳴かなくなった。犬を回収して今後を話し合うが、雨が小雨になってきたし、どうせ濡れてるんだからどこか小さい場所をやってみようとの事になり移動する。 15分ほど走って移動完了。私は勢子さんと共に中道に入る事になった。犬を放して奥に進んでいくと、目の前からデカいオスジカが飛び出した!発砲しようとするが、目の前に勢子さんが居るため撃つ事ができない!! すぐに無線で位置と進路を待ちに知らせて私も移動する。
すこしして、演習場のようにドカドカと発砲音が鳴り響いた。無事に止めたらしい。広い畑に飛び出し、4人が一斉に撃ったので賑やかだったようだw さらに一発の銃声が下の方で聞こえた。小さいイノシシが抜けてきた様だが外してしまったらしい。その後タヌキを追っただけで終了。また雨が酷くなってきたので止めて解体を行う事になった。 雨でずぶ濡れになったが、初日から獲物が捕れて良かった。でも目の前から出たデカオスを撃てなかったのは悔しい!まぁ、あと4ヶ月もあるんだから撃つチャンスは幾らでもあるだろう。無理して撃って事故起こすよりは遙かに良いさ!(`・ω・´)b |
出猟日 | 11月2日 (月曜日) |
時 間 | 12:00〜13:00 |
場 所 | 祖母・傾山系 |
猟 法 | 箱罠 |
天 候 | 晴れ |
使用銃 | Remington M870(EOTech ホロサイト) |
銃 身 | 20in・1/2ライフル |
使用装弾 | リロードLyman 525gr 自作Sabot Slug 1発 |
猟 果 | イノシシ 1頭 |
第二日目は平日なので一日ノンビリと過ごし、気が向いたら近所に罠かけに行く予定だったが、早朝に勢子長からの電話で目が覚めた(;´Д`)
箱罠に猪が入っているが捌き手が居ないので暇があるなら来い&翌日は巻き猟を行うのでそのまま泊まって出撃すればいいとの話しであった。すぐさま飛び起きて昨日使ったナイフや包丁を研ぎ直し、荷物を詰めて県境付近まで移動する。時間がないので、朝食はドライブスルーの朝マックとなった・・・ (;´Д`)
マズー 到着すると、刈り終わった田んぼに移送用の特製檻に入った30kgくらいの食べ頃イノシシ君が居た。観念したのか全く暴れずに寝ている。
ナイフで刺すと返り血で汚れるので、鉄砲で止める事にした。銃口を突きつけてコメカミを一発で撃ち抜き、引きずり出してナイフで放血する。今までは胸の横からアバラの間を刺していたが、今回は正面から刺す方法を試してみた。血は良く抜け、肉が傷まないので良い。これからはこの方法を取ろう! ボイラーの湯で毛を抜き、解体して終了。骨を炊いて鍋にするので、わざと骨に肉を多く付けた解体法を取った。今猟期のイノシシ初物であるので、大鍋で作った猪鍋を近所の人も呼んでパーティーを行った。楽しい一日であった。 |
出猟日 | 11月3日 (火曜日) |
時 間 | 7:00〜9:00 |
場 所 | 祖母・傾山系 |
猟 法 | グループ猟 |
天 候 | 晴れ |
使用銃 | Remington M870(EOTech ホロサイト) |
銃 身 | 20in・1/2ライフル |
使用装弾 | リロードLyman 525gr 自作サボットスラグ 2発 |
猟 果 | メスジカ 1頭 |
本日は文化の日と言う事で、祝日である。前日から泊まっている私は、勢子長の軽トラに同乗し箱罠の見回りへと出かけた。 林道を進み幾つもある罠を次々に見ていく。と、林道の左側70mほど離れた所にシカ2頭を発見!こちらをジッと観察している。勢子長に車を止めてもらい、鉄砲を掴んでゆっくりとした動きで下りる。林道から外れ、獲物に少し近づいた所で銃袋を剥ぎ取り一発だけ装填。気持ちは焦るが大きく素早い動きをすると逃げられる。ホロサイトのカバーを開けスイッチを入れてもシカはまだ動かない。ゆっくりと構えてバイタルエリア丸見えの左側のヤツに狙いを付け、ホロサイト中央の1MOAのドットが乗った瞬間に発砲!一瞬の後、尻餅をつくようにその場に倒れ込んだ!!装填は一発のみであるので、二頭目に撃つ事はできない。倒れた方はバタバタと暴れているので、走って獲物に近づき頭に止め矢を撃つ。・・・見事に脳みそが飛び散ってとても悲惨な姿になってしまった _| ̄|○ 心臓を正面から刺して放血もバッチリだ。今季初獲物ゲットーーー! 若いメスで一番の食べ頃だ(`・ω・´)b 車の中で一部始終を見ていた勢子長がやって来て、シカを見てぽつり 「さっさと逃げれば撃たれなかったのになぁ〜」 だそうだ(;´Д`) ・・・まぁ確かにね。発見から発砲まで30秒はあったと思うし・・・ でも、お土産が出て良かった。大分からやってくる後発隊に自慢しようw さて、8時ごろになると無線が賑やかになってきた。某小学校近くに入っているそうだ。このエリアは私が何度も美味しい思いをしている。皆で手分けし、詳しく見てイノシシの40kg位のヤツが入って抜けていないのを確認。さっそく待ち場に分かれて犬を入れる事になった。だがココで問題発生、私に電話が入り、急遽大分に戻らなければならなくなった ガ━━(゜Д゜;)━━ン! 無線で緊急事態により待ちを離れる旨を皆に伝えて平謝り・・・ 勢子長には電話で詳しい事情を説明し大分へと移動した。 5分も走った頃に、無線で「猪が起きたぞー」の声がした。涙目になりながら一路大分へと帰った(ノД`) ・ ・ ・ ・ 夕方、用事が済み勢子長へと電話すると、動物病院へ向かっている所だという。話を聞くと、犬がアナグマを追いかけて巣穴に入り込み、出てこないのでスコップで何ヶ所も大穴を掘って犬を救出。だが反撃に遭っており、顔がズタボロに損傷しているとの事であった。大がかりな成形手術が必要だという・・・ こりゃ大変だ! ついでに3名が今朝私が撃ったシカを解体に残ってるという。すぐさま電話してお詫びをする。 みんな大変な一日だったな・・・ |
出猟日 | 11月6日 (金曜日) |
時 間 | 6:45〜17:00 |
場 所 | 祖母・傾山系 |
猟 法 | 忍び猟・単独コール猟 |
天 候 | 晴れ |
使用銃 | サベージM210F(tascoサファリ3.5-10倍) |
銃 身 | 26in・1/2ライフル |
使用装弾 | ホーナディーSSTサボット 1発 |
猟 果 | オスジカ 1頭 |
日の出前から大分を出発し、KGさんと道の駅で合流し二人でシカ猟を行う。KGさんは昼までしか時間が取れないとの事であるので、日の出と共に攻める事にする。 先ずは罠の巡回も含めて、3日に獲ったU林道の様子を見てみる。箱罠には、シシ・シカ共に入口寸前まで餌をした跡がある。これなら数日中に獲れるだろう(`・ω・´)b 脇道も見回ったが獲物は発見できないので移動開始。すると無線で勢子長から連絡。良い場所を教えてあげるから家に来いとの事だ。到着するといくつかの林道と攻め方を詳しく教えてくれた。一番有望と思われる山を歩いて攻める事にした。 O林道に入り、広い場所に車をデポして装備をまとめて歩き出す。500mほど進んで鹿笛を全部車の中に忘れてきた事に気がついた・・・ 今更戻るのも面倒くさいのでそのまま進む・・・ しばらく進むと、右の斜面から「ピャッ!ピャッ!」と警戒鳴きが聞こえた。KGさんは3、4頭の群を見たみたいだが私からは見えない。二手に分かれて囲んでみるが残念ながら逃げ切られてしまった。中腹に蓋がされた用水路があったので、この上を進む事にする。
美しい紅葉を見ながら進むが、シカは全然居ない。地図とGPSで現在地を細かくチェックし、目標とされた山向こうの池を目指す。 結果、片道4kmほどの道のりを進んだが獲物も居ないし、背骨を固定しているボルトがヘソ曲げたのか腰が痛い&足は痺れて辛くなってきたので引き返す事にした(´・ω・`)ショボーン (今考えたら5kg近い鉄砲を担いで山歩きしてたんだから、それが原因かも?) 山を下りた所でお昼のサイレンが聞こえた。KGさんはタイムアップ。残念ながら用事があるとの事なので、ここでお別れである。 私はお弁当を持ってきているので、車で景色の良い場所へ移動してランチタイム。地図を見ながら、朝に教えてもらった別の場所を攻めてみようと決めた。 M林道終点まで車で進み、コール猟の装備を持って山を登る。地図の等高線で地形を判断し、良さそうなポイントに移動。透けて見える谷の大岩の前が座りやすいので、ここに陣取る事にした。偽装服を着てフェイスガードで顔を隠す。岩を背もたれにして座れば大きく動かない限り獲物に気づかれる事はない。オス笛でコール(下記動画参照)し、「ミャー」と言ったメスの鳴きを出す。
間隔を置いて笛を吹いていたが、午前中の疲れとお昼を食べてお腹いっぱいなので眠くなってきた(*´ω`) 岩のカーブがよい感じに背もたれになってリラックスでき、どうせ獲物は来ないだろうと思い目を閉じた・・・ 不意に「ミャーー」とメスの声で目が覚めた。姿は見えないが、先の方でメスが仲間を捜して鳴いている。こちらも鹿笛で鳴き返すと。盛んに鳴き出した!ゆっくりと銃を構え、スコープで検索する。100m少し先にメスを発見!こっちを向いてミャーミャー鳴いているw スコープを覗いたまま鳴き返すとキョロキョロしながら鳴く鳴くw こんなに真剣に鳴き返してくるヤツは初めてだ。しばらく遊んでいたが、視界の端で動く黒い影があった。見てみるとオスではないか!鼻を高く上げ、盛んに匂いを取っている。スコープの倍率を上げてよく観察すると、少し小さいが三段角だ!これはゲットせねばなるまい!メス笛を鳴らし様子を見るが、射線上に倒木の枝があり弾道が逸れる可能性がある。良いポイントに移動するまで待つ事にした。 左に動いてくれれば撃てるのだが動かない。2,3分待ったが右に動いて姿をロストした!米海兵隊の狙撃手訓練を思い出し、物凄いゆーっくりと体を動かして1mほど移動する。その間もメス笛を鳴らし、メスを引きつける。鳴らすのを止めると移動するメスだが、声がするとこちらへ移動してくる。良く動くメスだ。対照的に警戒しているオスは、ゆっくりとした動きだ。思惑通り左へと移動を開始し、枯れ沢を渡ろうとした所でバイタルエリアが丸見えになった。距離およそ90m。息を吐いて止め、スコープのレティクルが止まった所で発砲!強烈な反動で銃が大きく跳ね上がると共に、オスジカがその場にグシャリと沈むのが見えた! ボルトを引いて送排莢して次弾を送り込み、スコープで覗いて様子を見る。窪地なので獲物は見る事ができないが、起き上がってこないので走って獲物に近付く! 息を切らして駆け寄ると、獲物はひっくり返って僅かに息をしている。腰の大型ナイフを抜き、角を持って首を固定し、前足を踏んで押さえつけて喉元から心臓に向け刺した。ゴボゴボと血が出て獲物の息が止まる。頭を低くし放血を促しようやく一息。 ペットボトルのお茶を一口飲んで息を整え、嬉しさに頬が緩み声を上げてしまう ヽ(*´∀`)ノ ヤッター! 着弾も狙った場所にドンピシャで当たっている。パーフェクトショットだ!
そういえば、この銃は射撃場で標的紙にはさんざん撃ち込んでいるが、実際に獲物を撃ったのは初めてだ。初めての実戦で素晴らしい射撃ができ、満足感も三倍だ!使用装弾もかなり特殊なSSTサボットで、コイツも実戦は初めてなのだ。射場での成績がとても良い弾なので選んだが正解だったようだ。
2000fpsとライフル並の超高速弾なので、とても強い衝撃だが、練習のおかげで上手くコントロールできた。 さて、せっかく完璧な捕獲ができたのだから処理もちゃんとしたい。第一段階の放血はできたので次は冷却だ!谷川に浸けるのが一番よいが残念ながら近くにはない。ロープを角に付け、引っぱろうとするが動かない・・・ 一人で動かすにはチョットばかり重いのだ!中抜きをして軽量化することにした。喉元から一気に切開し、内蔵をすべて摘出する。被弾部を観察すると左右の肺を大きく破壊している。窪地に摘出した内臓を埋めて移動開始!
汗だくになりながら、やっとの思いで林道終点まで引っぱってきた。このまま仰向けにして空冷しておき、車から解体セットを運び出し簡易解体場を作成。立ち木の太い枝にホイストをぶら下げ、Gambrelを取り付けてシカを逆さ吊りにする。弾道を観察すると、射入した毛皮は小さい穴であったが、すぐに弾頭が開いてリブをゴッソリと破壊し、脊椎を砕いて抜けたようだ。
解体開始。毛皮を脱がして先ずは背ロースを外す。脊椎を破壊しているが、すぐ上のロースは無事だ。
撃った場所が良いので、肉はすべて無事で血肉となっている所もない。無駄にすることなく、すべての肉が完璧な状態で外す事ができた。ついでに頭部を外し、スケルトンを作る事にした。剥製は業者に依頼しなければならないので厳しいが、スケルトンなら自作できる。やはり一つくらいは壁に飾りたい。顔の皮と筋肉を除去し、脳みそを掻き出す。作業が大変で、頭蓋骨にトータル一時間以上かかってしまった。シートに広げて冷却していた肉を袋に詰め、片付けしていると17時のサイレンが聞こえた。十分楽しんだので山を下りる事にした。
勢子長の家によって一日の報告。翌日はグループ猟なので、このままお泊まりを進められたが、鉄砲を対イノシシ用のRem870にしないといけないので大分に帰る事にした。疲れたが、とても充実した一日であった。午前中一緒だったKGさんに電話すると、すごく悔しがっていたw #頭蓋骨のスケルトンは煮込んだり苛性ソーダで処理するらしいが、庭に埋めて微生物の力と時間で白骨化させる事にした。完成は春頃かな? |