マムシを食べる

− 予定外の食材GET! −


日本で見られる毒蛇にマムシ・ハブ・ヤマカガシが上げられる。

この中で一番遭遇する確率が高いのはマムシである。

山歩きや渓流釣り等で数回目撃しているが、こちらから近づく事はない

ましてや、捕まえるなどとは論外中の論外である!

しかし、今回は少々事情が違ったのである・・・




ある夏の雨降りの日、友人が集まり猟友mumuさんの家で”流しそうめん”を行うことになった

mumuさんの家は静かな緑に囲まれた山の中にあり、家の周りには太い竹が育っている。

こいつを使ってそうめんを流してやろうというのだ。

ナタとノコギリを手にし、裏山に入ろうとすると先発していたmumuさんがこっちに叫んでいる。

「あ〜、そこマムシがいるよ〜!」

彼が指す先にはとぐろを巻いたマムシが居るのである。(驚)


mumuさんが何か殺気を感じてよく見るとトグロを巻いていたというのだ!

凄い野生の勘だ。

「危ないので殺してしまって!」


との事なので、竹で押さえつけて

ヤツの身動きが取れないのを確認し、いつも携帯しているナイフで首を切断。

切断後も胴体はウニウニと動いている。

頭も口をパクパクとさせ危険なので穴を掘って埋める。

すると、今度はmumuさんママが二匹目を発見!

押さえてもらっている隙に切断する。

これで二匹ゲット(泣)


何でもここは脇を沢が流れ、カエルが多いので蛇も現れるとのこと。

しかも、他の所に逃がしてもこの場所に舞い戻ってくるらしい。

見かけたら殺すことが大切だそうだ。

うーん、サバイバルやね。


んで、首のないマムシ君。

切断して1時間以上たつのに未だにウネウネを体をくねらしている。


首を切断されたマムシ君 (クリックで拡大 200KB)

さらに動画で動く様をどうぞ

上の画面で再生されない場合は、こちら からお試しください。
↑ピントが甘いですがご勘弁を(1.19MB)


胴体は焼いて食べると良いとのmumuさんママのお言葉。

遅刻している人の罰ゲームとして焼く事にした。


調理は私のお仕事だ。

一応、ハンターであるからこの位でビビってはいけない!←関係ないと思う

切断面に少し縦の切れ目を入れ、ツルリと皮を剥ぐ。

上手く剥ぐと皮と内臓が一度に取れる。

軽く水で濯いで完了。

以外にも綺麗な肉の色である。

ウナギと言っても解らないかもしれない・・・

しっかし、2時間近く立つというのに心臓は鼓動し、胴体は微妙に動く!

なんちゅー生命力や!

この心臓を飲むと良いとか言われるが、パス。

気持ち悪いもんね。


実は私、蛇の皮むきは2度目だったりするのだ。

最初は1mチョットのシマヘビをヤったのだ。

その時は食べるためではないが・・・


さて、肉の臭いを嗅ぐと少々生臭い。

3cmほどのぶつ切りにし、塩こしょうをパパっとかけて炭火で網焼きにする。

豚バラやサンマを焼くために軒下に用意していたのである。


焼けてくると、以外にも美味しそうな香りがしてきた。

生臭くはない。

焼けた頃を見計らい、味見をしてみることにした。

(遅刻者Poor氏は未だ到着せず)


では、臭いを確認・・・

良い香り!

鶏を焼いたような食欲をそそる香りで問題ない。

では、恐る恐る味を確認・・・

おりょ!?
おいしぃ――――!


味はヒヨドリと激しく似ている。

全く問題ない。

本当に美味しいのである!

私の反応に一同少々引くが、食べて納得。

マジでウマイ!

罰ゲーム用食材にはもったいない。

ビールが進む!


マムシがこんなに美味しいとは以外であった。

しかも、私が好きなヒヨドリと似た優しい味と香りなのである。

猛毒のヘビとは全く想像がつかない。

背骨はもう一度炭火で焼き、骨煎餅にして頂いた。

これもビールがウマイ!



大変貴重な体験をしたが、安易にマムシに近寄ることは止めていただきたい。

経験を積んだ人との捕獲やマムシ養殖業者からの買い付け等安全に注意していただきたい。

いくらウマイといっても、毒蛇であることを忘れてはいけない。



参考リンク
ヘビに咬まれた場合