平成25年度 狩猟日記
−大分県は猟期延長、全域でメスジカ可猟・頭数無制限 -



出猟日 11月3日 (日曜日)
場 所 祖母・傾山系
猟 法 グループ猟
使用銃 Remington M870(EOTech ホロサイト)
銃 身 20in・1/2ライフル
使用装弾 リロードLyman 525gr 自作サボットスラグ 4発
猟 果
イノシシ 1頭(手前の)
グループで他イノシシ 1頭(奥の方)

いよいよ狩猟解禁である。昨日は仕事で参加できなかったが、シカやイノシシを数頭捕獲したそうだ。今日も期待大である。今期からの新アイテムとして、防塵防水で動画が撮れるアクションカメラのGoProを導入してみる。テレビ番組などでもよく使われており、画質と汎用性は折り紙付きだ。オプションのヘッドバンドを使い、頭に付けて撮影する予定だ。

今期から新規導入したGoPro

一通り各猟場の見切りを行い、堅そうなN地区の牛小屋の前を攻めることになった。ここは昨年の解禁時にシカを撃ち外してしまい悔しい思いをした場所だ。一年越しのリベンジである!10:00各自が待ち場所に着いたのを確認して状況開始!西の方から東側へ勢子が進んでくる予定である。犬が入ってしばらく静かな時間が過ぎ、あくびをしながら周囲を警戒していると、犬が鳴き出したとの無線連絡が入った。真っ直ぐに私の待ち場の方向へ来ているらしい。銃の薬室を閉鎖し挙銃して即応体制を取って待機。少しして犬の鳴きが聞こえてきた。こっちに向かってきている。どこに飛び出るか分からないので、上下100mをキョロキョロしながら警戒。・・・すると前のクヌギ林に黒い影が出てきて右から左へと横切っていく。すぐさま狙いを付けて3発発砲!そのまま藪に入って走り去った。無線で「イノシシ一頭に発砲するも南方向へ逃走」を打電。逃走方向の待ち場担当に注意するよう促した。

次の待ちまで100mほどしかないが、発砲音が聞こえない。犬も鳴きをやめ、姿を現した。どうやら被弾して待ちの間で倒れているようだ。無線で待ち場を離れて状況確認に向かう旨を連絡。

イノシシが走った場所に来てみると、血がベットリと落ちている。かなりの量なので、辿っていけば獲物に行き着きそうだ。犬も迎えに来るように出てきた。大きなブッシュに血痕は続いており、この辺りに倒れていそうだ。草がなぎ倒されており、下に向けて通った跡が分かるので辿っていくと、草の陰に黒い影が見えた。「おぉ、シシ居た居た。刺して放血しましょうかね」と思ってる刹那、いきなりその
黒い影が突撃してきた!ヤバイ!牙で切られる!後ろに引きながら銃を押しつけてガード。

数メートル突撃してきたら、後ろに引き出した。すぐに半閉鎖の薬室を閉鎖しながら挙銃。草に隠れているが、頭があるであろう場所に向かって発砲!動きが止まり、ひっくり返って痙攣しているのを確認して一安心。頭に綺麗に着弾していた。かなり肝を冷やしたー

止め矢は頭に一発


無線でイノシシが半矢で、私が捲られて発砲して止めた旨を連絡。少し下れば山道に出るそうなので、草の中を引っ張り搬出。犬も回収され、状況報告。回収した犬二頭はイノシシに切られており、病院送りとなった。イノシシを前に皆で実況見分すると、3発すべて被弾していたが、足、腹2カ所に当たり急所を外れいていた。

皆がそろっての初猟であるので、本日は欲を張らずにこれで終了となった。


GOPROで一部始終を撮影


大分・別府の3名は勢子長の家に泊めてもらうので、この日の夜はGoProをノートPC経由でHDMIでテレビに繋いで上映会となった。初めてのカメラ運用で良い動画が撮れて満足である。小さく軽く頭に付けても気にならず、リモコンで操作でき、綺麗な動画が撮れるのでとても気に入った!

しかし、怪我なくイノシシを止められたので笑い話となったが、一歩間違えたら、私も牙で切り付けられて大怪我していたかもしれない。本日の反省点は、血痕の量と犬が鳴きを止めたことで、獲物が倒れて居るであろうと油断して行動したことだ。
イノシシに近づく際に高い位置から近づいたことで、勢いが少し弱まったようだ。イノシシに近づく際は高い位置から近寄れと言われていたが、身をもって実感した。もし、下から近づいていたら、勢いが付いてガードできなかったかもしれない。本日のこの経験を教訓として、さらに一層精進していこうと思う。




出猟日 11月04日 (月曜日)
場 所 祖母・傾山系
猟 法 グループ猟
使用銃 Remington M870(EOTech ホロサイト)
銃 身 20in・1/2ライフル
使用装弾 発砲なし
猟 果
イノシシ 1頭


今日はいつもと違い、すごいお客さんがやってくる。外国のテレビ局の取材ときたもんだ!ドイツの女性料理人が来て、狩猟に同行して獲物を一緒に料理するという番組らしい。

前日から勢子長の家に泊めてもらっている私の朝の仕事は、弁当作成係である。今日は我々の分と取材スタッフの分まで作らなければ行けない。合計12名分である。しかも、弁当のおかずの冷食を持ってくるのを忘れたので、台所の食材を適当に詰め込んだ。時間がないのでかなり手抜きの弁当になったが仕方ない。

身支度を調え、しっかりと地下足袋装備!気合い十分で焚き火に当たりながら皆の集合と、取材スタッフの到着を待つ。8時を過ぎた頃、向かいの道路にワンボックスカーが止まり大柄な人たちが降りてきた。体格が全然違うので遠目でもドイツのお客さんと分かった。その中の女性が本日のメインゲスト
Sarah Wienerさんである。ヨーロッパでは知らない人はいないと言うほど有名な人らしく、ドイツでレストランを経営し独自ブランドなども展開する人だそうだ。すごい人がこんな大分の田舎にやってきたもんだ。

冒頭のインタビューシーン撮影中

撮影はサラが話して通訳、そしてこちらが返答して通訳と通訳を挟んでの会話だ。しかも通訳さんが話し終わってから返答するようにとの演技指導?もあって、時間がかかる。たっぷり1時間ほど撮影して猟場への移動となった。


勢子長の作戦会議シーン撮影


各シーンを撮影しながら、各自が持ち場についてようやく準備完了。勢子と一緒にサラと撮影スタッフ全員が山を歩くという。大丈夫かな?

犬が入ってしばらくは静かな時間が過ぎ、日当たりがよくポカポカでアクビをしながら警戒していると、無線が賑やかになってきた。犬が鳴き出したらしいが、電波状況が悪く途切れ途切れでしか聞こえてこない。イノシシが出て発砲して半矢になっている。ということまでしか分からない。まぁ、離れたところでこっちには来ないだろうけど、犬が付いてない抜けてくる獲物がいるかもしれないので警戒は怠らない。

昼頃になり、集合の号令がかかった。イノシシを谷で仕留めたので回収に回れとのことだ。状況を聞いてみると、撃たれて半矢になったイノシシを犬が噛み止め勢子長が刺して止めたそうだ。テレビ的にはとても良い映像が撮れたらしい。サラも機嫌良く勢子長は私のヒーローだと言っていた。←(サラは英語も話せる様で少しの会話なら通訳なしでできた)

谷底に倒れており傾斜も大きいので、ロープと滑車を使い車で引き上げることになった。この引き上げもカメラの配置やタイミングなど指定があり、時間かかるかかる〜


開始早々カメラマンが転倒して右手を傷めたらしい

ようやく獲物の回収が終わり昼食タイム。私が作ったおにぎり弁当をサラが食べるシーンまで撮影しだした。この弁当を作ったシェフ?の私も呼ばれて会話するシーンも撮影。冷食のおかずを家に忘れたし、時間がないので魚肉ソーセージやその辺にある物を適当に放り込んだのだが、魚で作られたソーセージを言う物に驚いていた。ごめん、時間なくて生のままだったけど本当は少しフライパンで焼きたかったのだよ・・・

お昼ご飯が終わり勢子長宅で解体を行うが、撮影はしないそうだ。さすがにグロいシーンはパスでしょうなぁ。私はせっかく対テレビ用に新しい肉屋さんエプロン用意したのに(笑) テレビカメラがないので、解体はさくっと終了。料理シーンがある茶屋へ移動した。

狩猟シーンは終わり、これから料理シーンの撮影になります


猪鍋をサラが一緒に作ると言うことらしいが、勢子長とM師匠の二人が料理に参加し撮影が行われていた。私を含めて他のメンバーは外で時間を持てあましながら待機。・・・2時間ほどしたところで、未だに野菜を一つ一つ説明しながら切っている段階と言うことを知り、帰るのに1時間以上かかる我々は撤収することになった。後に聞いた話によると、料理シーンは夜の8時までかかったそうだ。ついでに、撮影は次の日も行われ早朝から景色を撮るために山に登ったりしたらしい。

テレビ撮影は大変だなぁ・・・ と言うのが今日の感想だ。後でサラの本名を知ってググって知ったのだが、とんでもない有名な料理人だったようだ!ホント弁当のおかずに、魚肉ソーセージを生で適当に放り込んで恥ずかしい事をしでかした〜 知っていれば、もう少し気の利いたおかずと美しい和食弁当にしたのに(泣)

他にアジア各国を回って数ヶ月にわたって撮影するらしいので、番組自体は来年の9月になるそうだ。DVDを送ってくれるという話なので楽しみである。


サラと記念撮影

私は獲物も見らず無線も聞こえず発砲もなかったが、滅多にできない貴重な体験ができて楽しい一日であった。





出猟日 11月16日 (土曜日)
場 所 祖母・傾山系
猟 法 グループ猟
使用銃 Remington M870(EOTech ホロサイト)
銃 身 20in・1/2ライフル
使用装弾 リロードLyman 525gr 自作サボットスラグ 9発
猟 果
シカ 1頭
他にグループでシカ1頭
本日は通称「鶏小屋」の近くを行うことになった。
毎年けっこう良い思いをしている、私の十八番の場所に着くことにした。ここは2名必要なので、上はSさんに守ってもらう。

結構広く囲むので、勢子さんが各待ちの配置完了を無線で確認し、犬投入。すぐに鳴き出して獲物を追いだし発砲が始まったらしい。だが、我々の場所からは遠いので、犬の鳴きも銃声も聞こえない。方向的には我々の方に向かってるようだが、少し低めなので、出てこないかもしれない。 …案の定、途中から尾根を川の方に降りたようで、右奥で銃声が数発聞こえた。

少しして、Sさんと私の間の向かいで動く物があった。小シシが走ってくる!一段低い場所を移動しているので、Sさんは音は聞こえても姿は見えないはずだ。じっくり狙って発砲!だが、うまいタイミングで木の後ろを通り、根本にバシッと着弾するのが見えたー これですっかりタイミングが狂い、残り2発を撃ちかけるも失中(T_T) すぐに深い藪に入り込み見えなくなった〜

完璧に外してしまったので激しく落ち込んでしまう… 残念だ。


それから暫くは、勢子さんが山の反対に行っているので電波状況が悪く無線が聞こえない。わりと暇なので、意味もなく木を削ったりしながら暇つぶし。何か動く気配がしたので目を懲らしてみてみると、斜面を左から右にシカが小走りに移動している!即挙銃して狙うが遠い・・・ 過去の経験から、こちらに向かってくるはずなのだが、このシカは川の方へ移動していく。一瞬でも止まってくれればいいのだが、この距離を木々の間を縫って小走りの目標に当てるのは難しい〜 このままでは視界から消えるので、エイヤッと2発連射!グシャリと倒れ込んだが、今にも起き出して走りそうなほど藻掻いている。即ダッシュで獲物に向かい、2発撃ち込み止まったところで心臓を刺して終了。ほっと一息だ。


木が切れている円内で発砲しました

結局大きなオスジカを勢子さんが撃っただけで本日は終了。
狙撃が上手くいったが、小シシを撃ち外したのでチョット落ち込む。グループ全体でも、獲物が出た割には総捕獲数も伸びずに不完全燃焼な一日であった。






出猟日 11月24日 (日曜日)
場 所 祖母・傾山系
猟 法 グループ猟
使用銃 Remington M870(EOTech ホロサイト)
銃 身 20in・1/2ライフル
使用装弾 リロードLyman 525gr 自作サボットスラグ 1発
猟 果

子イノシシ 1頭
他にグループでイノシシ1頭 シカ1頭

朝から手分けしてイノシシの痕跡を探すと、通称パン屋の前に入っているようだ。この場所は前に待ったことがあるが、発砲するチャンスに恵まれたことがない。あまりい思い出がない場所だ。


今回も今まで同様に休耕田の谷を上がるが、これまでよりもかなり上の方で待ってみることにしてみた。周囲を見渡しながら獲物が通りそうな地形や獣道を確認し良さそうな場所があったので待機。上下がぐるっと見渡せ、谷を行く獲物も見える所だ。ここで待つことにする。各待ち場が配置についたのを確認し、勢子さんが犬と共に入ると無線連絡があり、薬室に装填して待機。

私の目の前の斜面で移動音源が2つ聞こえる。たぶんイノシシだろう。犬が数回鳴いてこちらに来ている。おそらく移動音源の臭いを取っているのだろう。音源は分かれて少し動いては止まり、少しずつ移動している。犬もかなり近寄ってきて鈴の音が聞こえてきた。本格的に獲物に付いたようで、本格的に鳴きだした!音源も激しく移動を始め完全に2つに分かれた。一つは下の方へ向かっていき、もう一つは谷を越えて私の方に来ている。挙銃して銃の安全を解除し息を殺して待機。真っ直ぐにこちらへ来ている。

姿を表したのは小さなイノシシで、私に気がつくことなく足下まで登ってくる。私は大きな岩の上にいるので分からないようだ!頭に狙いを付け十分引きつけて発砲!その場にグシャリと倒れ込み、痙攣しながら谷底に落ちていった。他に獲物が来ない事を確認し、一頭倒し移動音源1つが下の方へ行ったことを無線で報告。獲物まで駆け寄り心臓を刺して放血。この子シシを犬が噛まない様に、木の股に引っかけて元の待ち場に戻る。

頭に一発、犬に噛まれないように木に引っかけました

犬が来て血の臭いを嗅いでいたが、獲物の姿が消えているので少し捜索して次の獲物を探しに行った。音源の逃走先に犬が向かい、捕捉したようで本格的に鳴きだした。西方向へ行き途中の待ちが獲物を確認。大きなイノシシだそうだ!残念ながらそのまま包囲網を抜けられてしまった。どうやら私が倒した親と思われる。皆一斉に先回りのために移動開始。勢子の指令が無線でバンバン流れる。私は車まで距離があるので、獲物を引き出しながら戻る。泥濘にはまって地下足袋が泥まみれになった。水が浸みてきて冷たい・・・

車まで引き出し。無線を聞くと、まだ逃走しているようだ。先回りするために急いで移動しながら犬の発信器を聞いてみるとガンガン吠えている。まだ捕捉して追跡しているようだ。南方向に逃走しているのだが、この辺は日頃猟を行わない地域なので地形や道が分からない。地図を確認しながら移動し、来そうな場所へ入って待機。

M師匠の無線が入った。シカが出たので止めたそうだ。

結局、親イノシシの行方は分からず逃げられてしまった。犬を回収して終了。くくり罠で仕留めた大きなイノシシと共に解体して解散となった。





出猟日 12月8日 (日曜日)
場 所 祖母・傾山系
猟 法 グループ猟
使用銃 Remington M870(EOTech ホロサイト)
銃 身 20in・1/2ライフル
使用装弾 リロードLyman 525gr 自作サボットスラグ 5発
猟 果

シカ 2頭
他にグループでイノシシ1頭 シカ1頭

いつものように広範囲にわたる足跡の検証から、本日はY地区のK付近を攻めることになった。今日もまたお客さんが一名同行するそうだ。大学で害獣被害を研究している先生(だったかな?)で若い女性だった。広場で作戦会議を行い、私は少々広い場所を受け持つことになった。尾根が2つあり両方見渡せないとても難しい所だ。どちらも太い獣道がかかっており両方とも獲物が来る。重点的に守る方を感で決め、無線で準備OKを打電。音を聞いて、向こうの方に出そうなら移動しよう。たぶん間に合わないと思うが・・・

犬は私のすぐ上から入れるらしい。勢子にGさんが付いて一緒に歩くそうだ。

犬を入れる連絡があり、緊張して待機。すぐに鳴きだして、包囲網を抜けた様で待ちの反対側で鳴いている。抜けた分はもう無視して、残ってる犬で続きを行う。すぐに鳴きだして下に降った分と、私の方に向かってくるグループと2つに別れたようだ。下った分は数発の銃声が聞こえたので、無事止めたようだ。私の方には真っ直ぐに向かってきているようだ。薬室を閉鎖し、挙銃して待機しているとバサリと大きな音がした。見ると大きなシカが藪の中からこっちを見ている。息を殺して微動だにせず待機。左の方に回り込み降ってきた。全身が現れたところで、首に狙いを付け発砲!そのままグシャリと倒れ込んで動かなくなった。無線で無事止めたことを報告し、剣鉈で心臓を刺し放血。犬が追ってきたので、追い返してして一息。大きなオスジカで結構立派な三段角だ。

立派な角で記念撮影したけど、草に隠れて見えない!悲しい

その後、獲物を回収し集合して昼食。今度は今やった隣の場所をやることになった。私は一番獲物が現れる柏山で待機することになった。この場所は過去にもシカを撃ち止めた事がある実績のある場所だ。

勢子さんが入り、少しして鳴きが聞こえてきた。声は私の方を向いている。挙銃しているとシカが飛んできた!すぐに3発撃ちかけるが、当たった様子がない。再装填して距離50m、離れていく白いお尻の毛めがけて発砲!倒れるのが見えた〜 すぐに駆け寄り、まだ息があったので止め矢を打ち込んで二頭目を無事確保。一本角のオスジカでした。

間違えてHD画質のファイルを消したので、同時作成のバックアップファイルで御勘弁

これで本日は終了。最初のラウンドでイノシシも捕れていたらしく、合計4頭を勢子長宅で解体し解散となった。

GoProの動画を整理している時に間違えてファイルを消してしまった。しかしこのカメラ、ハイビジョン画質と同時に低画質の動画も保存しているので何とかこれを確保。他にもいくつか動画を消してしまった。これからは気をつけよう・・・