イノシシの解体
− 初めての四つ足体験 −


猟場で不意に携帯電話が鳴り、イノシシ2頭を師匠Mさんが持ってきたそうである。

私に練習のため捌かせてくれるようだ。

滅多にないチャンスなので猟を切り上げ解体に向かった。


到着してみると、ウリボウより少し大きい位の猪が2頭横たわっていた。

これらは銃で獲ったのではなく、罠にかかったのだそうだ。

首の下にシメ&放血の跡がある。

比較のナイフの全長は30cm

近寄ると独特の獣臭がする。

前に飼育されているイノシシを見たが、それよりも濃い獣臭である。

牧場にて飼育されているイノシシたち

毛はゴワゴワとしており堅く太い。


いよいよ解体である。

初めに内蔵に到達しないよう注意しながら腹に切れ目を入れる。

そこから皮を剥いでいくのである。

獲物が小さいため余り脂が乗っていない。


結構簡単に皮が剥げる

肉を傷つけないように注意しながら皮を剥ぐ。

と、師匠が仕事を終えて到着。もう一頭を解体してくれるそうである。

師匠の解体の姿

鮮やかに手際よく皮を剥いでいく。

しかも使っている道具は、大型のカッターナイフ剪定バサミだけである! ( ̄□ ̄;)

おまけに10分もせず全部皮を剥いでしまった。

我々は2人で交代しながら30分ほどかかったのに・・・ _| ̄|○

ここまで所要時間15分

私も一緒に解体しておりデジカメで撮影してくれる人も丁度居なかったので、詳しい解体方法は表で勘弁していただきたい。

内臓は死後時間が経過しているので今回は廃棄処分とした。

本当はこの内臓が肉よりウマイと言うのだが残念。

小型のイノシシ解体法一覧
1、皮を剥ぐ(脂肪と皮の間を切る)
2、首の周りを切り、ぐるりと一周首を回し(師匠曰くエクソシスト)関節が外れたら隙間をナイフで切断。
3、内臓を切らないように腹に穴を開け、ナイフの刃を上に向け首から後ろ足まで切る。
4、前足を他の人に持ってもらい、食道・心臓を掴み一気に剥ぎ取る。(内臓がすべて綺麗に取れる)
5、肋骨と脊椎の境にナイフで切れ目を入れ、肋骨を左右に広げる。外れたらナイフで切断。
6、四肢の上部間接(股関節等)を外し、その隙間をナイフで切断。 さらに膝から下を切断。
7、脊椎を折り、隙間をナイフで切断。
8、桶に水を張り洗う。(洗浄と血抜き)
9、仲良く山分け。

この時注意するのは、腸・膀胱を傷つけないと言うことだ。

もし中の「消化された物体」・「おしっこ」が肉に付着すると臭いらしい(当然か)

また、使用したナイフ等はしっかりと洗浄しなければならない。

イノシシを解体し、そのまま続いて鹿を解体して鹿刺しを食べ、寄生虫に感染したと言う話しがある。

イノシシには「ジストマ」が寄生しているので注意が必要である。

#また鹿の生食はE型肝炎に感染する可能性があります。(詳しくはこちら

左がバラ肉 右がもも肉

また、これらの肉を切る際は一度冷凍しシャーベット状になったのを切るのが良いそうだ。

冷凍によって寄生虫も殺せるかな?


師匠が以前解体した100kgクラスのイノシシを塩胡椒をして焼いてくれた。

イノシシの塩胡椒焼き

柔らかくコクがあり非常に美味しい。

これにはビールが合うだろうと激しく思った。



イノシシ解体マスター!

これで四つ足が獲れても大丈夫!


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